585章:負傷した相手は実際に武器を持っています

「信じられない……あんた、本当にこんなに強いの!」

男は、エミリーが攻めに転じるとは思っていなかった。不意を突かれ、彼女の拳をまともに受けて、思わず二歩もよろめき下がる。

男は血を吐き、さらに無造作にもう一度吐き捨てると、意地の悪い笑い声を漏らした。

次の瞬間、男の拳がエミリーの顔面めがけて飛んできた。

エミリーは素早く身をかわし、首を横へ傾ける。拳から掌底へと切り替え、その動きは稲妻のように鋭い。

相手は当初こそ余裕で捌いていたが、次第に押されはじめ、息が上がっていく。

数合打ち合ったところで、エミリーはもう一発叩き込んだ。今度は男の頭部にきっちりと当たる。

男の目がぐるりと裏...

ログインして続きを読む